1.なぜ過去問を解くのか(よく言われる理由)
同じ問題は出ないのに、
なぜ志望校の過去問を解く必要があるのか?
一般的には、志望校の出題傾向を知るためと言われます。
・どの単元が出やすくて、どの単元が出にくいのか。
・記述問題が多いのか、記号問題が多いのか。
・大設問1つが、大きいのか小さいのか。など
大切なことでしょう。
ただ、それを知って、勉強にどう生かすかとなると、よくわかならい。
ほとんど指摘はされていませんが、私は、もっと大きな理由があると思います。
この視点があると、過去問の対策がしっかりできて、
本番の入試で力を出しやすいと思います。
2.なぜ過去問を解くのか(本当の理由)
なぜ、学校によって出題傾向がちがうのでしょう。
なぜ、学校によってクセがあるのでしょう?
答えは、学校によって、教えている先生がちがうからです。
問題を作っている先生が、ちがうからです。
「あたりまえ」のことですが、大切なことです。
公立学校の先生は、よく移動がありますが、
私立学校の先生は、ほとんど移動しません。
ずっと同じ先生が、その学校で教えています。
入試問題も、ずっと同じ先生たちが作っています。
同じ先生たちの頭脳で作り出すので、
毎年、似た傾向の入試問題になるのです。
ならば、最も有効な対策は、
その先生たちの考え方に慣れること。
例えば、はじめてあった人とは、話しにくいです。
自分が言いたかったことも、うまく言えないです。
でも、慣れてくると話しやすくなって、
自分の伝えたいことも言いやすくなります。
入試問題も同じです。
初めてその学校の入試問題を見ると、とても解きにくい。
しかし、先生たちの考え方や言葉使いに慣れてくると、とても解きやすくなります。
入試では、同じ問題は出ませんが、同じ発想の問題は必ず出ます。
3.具体的な過去問対策
まず一回目は、そのまま解きましょう。
間違ったところは、解説を読んだり質問をしたりして、理解します。
ただ、二回目以降も、同じ解き方では、
答えを覚えてしまっているので、あまり意味がありません。
よく、2回・3回と解いて、「合格基準点を超えた」と喜んでいる人がいます。
自信は持ってほしいですが、自分の実力は冷静に見てほしい。
二回目以降の解き直しは、
自分が問題を作った先生の気分になって解きます。
自分のとなりに「理解できていない子」がいるとして、
その子に、教えるように解きます。
「この問題は、ここに注目して、この道筋で考えれば解ける」というように、
筋道を意識しながら解きます。
私自身、大手の進学塾で、特定中学模試を作るとき、この方法を使っていました。
その中学の過去問を数年分、問題を作った先生の立場になり、
生徒に教えるような気持ちで解きました。
問題も解きやすくなり、模試も作りやすくなりました。
4.自分で説明するは、最強の勉強法
人に教えることは、最強の勉強法です。
よく、「先生は、理科が得意だったから理科の先生になったの?」
と聞かれますが、ちがいます。
理科は、あまり得意でも、好きでもなかった。
ただ、諸事情で「理科を教えるようになったから、理科が得意になった」のです。
おそらくほかの先生も、似たことを言うと思います。
人に教えると、本当に力がつきます。
自分のいちばん行きたい学校の過去問を解くときは、
この最強の勉強法を当ててください。
きっと、当日の入試問題が、楽に解けるようになります。